2007年01月12日

中学受験校、受験する前に 進学の決め手、子供との対話

2007/1/16 産経新聞 6年という期間の是非を考慮
受験シーズン到来。中学校の難関校や大学付属校のほか、公立の中学受験教育校などを目指す子供や親にとって、まさに正念場だ。学習面でのメリットが強調されがちだが、首尾良く合格しても、入学後について不安を抱く保護者も多いはず。そこで、三重県の中学受験教育研究会議会長などを務め、公立校を中心にその現状に詳しい河合優年(まさとし)・武庫川女子大学教授に、子供を中学受験校に進ませたいと考えている親の留意点を聞いた。(篠田丈晴)

学習面に期待

難関大学に毎年、多くの合格者を送り出す有名校は、学習面でのメリットは確かに魅力的だ。文部科学省の施策として、「6年間という長いスパンの中で、子供がゆっくりと自分の進路を見つけていく」ことを目的に、平成11年度から全国各地で設置されている中学受験教育校(17年度現在、173校=国公立123、私立50)も、結果的に受験に強いケースが多い。

河合教授は「高校籍の先生が中学の授業の一部を担当し、中学での学習がどのような広がりを持つのか示すことで、生徒の興味を引き出す。生徒自ら学習内容をさらに高めたいという気持ちが出てきて、学力に反映されるということも考えられます」と指摘する。

中学受験教育校には、英語教育に重点を置いて開校した群馬県立中央中等教育学校のほか、国際色豊かなカリキュラムを組む兵庫県立芦屋国際中等教育学校や、自然科学科目を充実させた和歌山県立向陽中学・高等学校のように特色のある学校が多い。

学校側は学力偏重ではなく、特化による学習効果が期待できると説明するだろうが、受験で有利なのは事実だろう。また、生徒の理解・把握という面で、中学入学時から見ているため、教師がその子の個性や個人差を把握し、3年次以降へもその情報をうまく引き継いでいくことができる。


不安要素

しかし、メリットだけではない。一貫教育校の中には、生徒の入れ替わりが少ない学校もある。「良い意味で親密だが、人間関係が固定的になりがち。気まずい仲間関係が続いてしまうこともあると聞きます。成績面でも、その学年での順位がある程度固定してしまうことも考えられます。一貫校でなければ、中学から高校へ進学する際に、気持ちの切り替えもできます」

また、入学後に、子供が違和感を覚えるケースもあるという。例えば、「他にやりたいことがあったのに」と思ったり、工業・商業系への興味を見いだしたり、スポーツや芸術活動などに励みたいと考えることがあるかもしれない。一般中学への転入も可能だが、子供のストレスは計り知れない。

河合教授は、一貫校への進学を考えているのなら、親子で進路について真剣に話し合う機会をつくるよう提案する。

「12歳では、まだ確信を持って自分の進路を選べないはず。その学校がどんなカリキュラムで、どのような教育をしているのか、子供に知らせることが大切。思春期の入り口で、一般的に親と子は軽い緊張関係にあり、話す機会が減るが、このような自分と強く結びついた形での話し合いは、人間形成にとっても重要です。互いの視点から、率直に話し合ってほしい」


縦のつながり

感受性が高まり、自分と向き合う思春期に、“1年生”から“6年生”が同じ学校で生活する中学受験教育。小学校を出たばかりの生徒と、間もなく大人の仲間入りという生徒が、勉強のほか、クラブ活動などを通じて交流する。河合教授は「縦のつながりが希薄になりがちな時代に、この時期から先輩・後輩を意識しながら他者と付き合うのは、人間形成の場として意義深い。互いに刺激を受け合い、後輩が先輩にいろいろ相談できる環境でもあります」と話す。

子供に対して一方的に「この学校へ行け」ではなく、子供の個性と自主性を考えながら、「行ってみるか」と、まずは話しかけてみてはどうだろうか。


posted by 受験オタク at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 中学受験事情
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