2007年02月15日

過熱する中学受験市場 大手進学塾も相次ぎ参入

FujiSankei Business i.  2007/2/2  ゆとり教育で公立校離れが加速
 東京都と神奈川県で1日、私立中学の入試が解禁となり、中学入試シーズンが本番を迎えた。今年は首都圏で私立・国立中学校への受験者数はバブル期を上回り過去最高を記録するとされ、少子化を尻目に、大都市圏での中学受験熱は上昇する一方だ。こうした状況を反映し、中学受験向けの大手進学塾による拡大競争も過熱化している。

 この春、大手進学塾が相次いで拡大路線を打ち出す。首都圏で小中学生向け集団指導進学塾「市進学院」を運営する市進(千葉県市川市)は、子会社を通じ、個別指導塾「個太郎塾」のフランチャイズ(FC)加盟者の募集を始め、4月からFC事業に本格的に乗り出す。中学受験ニーズの高い首都圏で個別指導塾の新規開校ペースを引き上げ、個別指導という差別化で競争激化に備える。

 難関中高受験の進学塾で知られる早稲田アカデミー(東京都豊島区)もこの3月、首都圏で小中学生向け進学塾を同時に5校開校する。私立校の進学志向が強く市場性の高い首都圏に絞って集中的な開設に踏み込む。

 この背景には、少子化の進展により今後、市場縮小を余儀なくされる受験産業が、「ゆとり教育」への懸念から都市部を中心に加速する「公立校離れ」などから唯一の成長市場と目される中学受験市場にターゲットを絞り出したという事情がある。これを裏付けるように、大手受験産業がM&A(企業の合併・買収)により、中学受験市場に相次いで新規参入し、既存の大手進学塾との競争激化を誘発している。

 大学受験の大手予備校「東進ハイスクール」を運営するナガセ(東京都武蔵野市)は昨年10月、首都圏で中学受験向けの進学塾を展開する老舗、四谷大塚(東京都中野区)を58億円で買収した。「大学全入時代」を迎え、主体の大学受験市場が今後、尻すぼみとなるのは避けられないと判断し、中学受験市場に参入した。

 05年11月から子会社を通じて中学受験市場に参入している教材出版大手の学習研究社(東京都大田区)も、昨年6月に進学塾大手の桐杏(とうきょう)学園(東京都荒川区)を買収した。さらに、昨年12月に東北地区の進学塾「あすなろ学院」を運営する東北ベストスタディ(仙台市青葉区)を買収、完全子会社化した。少子化が進むなか、主体の教材販売が苦戦を余儀なくされ、進学塾事業育成でこれを補う方針だ。

 四谷大塚の予測によると、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で、07年度に私立・国立中学を受験する小学生は過去最高の5万1000人に達する。この数字は小学6年生の6人に1人に当たり、ある意味で、週5日制の導入など「ゆとり教育」による学力低下への危機感から公立校離れが加速していることを裏付けている。

 安倍晋三首相は1月26日の衆参両院本会議での施政方針演説で、「教育再生」を「内閣の最重要課題」に位置づけ、公教育の“復権”に、学校教育法改正案など教育改革関連三法案を提出する意向を示した。

 しかし、大都市圏の公立校離れは加速する一方で、少子化が進むなかで中学受験市場だけは拡大が続く見通しにあり、規模の拡大を追う大手進学塾間の競争は一段と熱を帯びそうだ。
posted by 受験オタク at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 首都圏
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