2007年02月16日

立命館の中高一貫校計画 09年開校を岐阜市に提案

 学校法人立命館(京都市)が岐阜市に中高一貫校の設立を打診している問題で、立命館が2009年度の高校開校を市側に提案していることが15日、分かった。具体的な運営方針が提案されたのは初めて。市立岐阜商業高の移管を求めており、岐阜市は市議会にも説明しながら、協議を進める方針。

 提案によると、校名は「立命館岐阜高校」。校地と校舎を確保するため、市岐商の移管を要請している。男女共学の普通科で、理数系教育と国際化教育に力を入れる。定員は960人。10年度には中学校(定員480人)も併設する。

 また、市内の中学校から成績上位者を推薦入学で受け入れる。さらに市内在住で成績優秀な生徒は奨学生として学費の3割を減免。卒業後は、立命館大、立命館アジア太平洋大へ進学する。

 一方、市岐商は高校開校に合わせて募集を停止し、在校生を立命館岐阜高が引き継ぐ。了解が得られれば、市岐商同窓会も継承するとしている。

 立命館は提案を認め「より良い教育の実現のため、協議を進めたい」と主張。岐阜市は「提案があったのは事実だが、今後についてはコメントできない」としている。

 計画は、市岐商の移管の是非などをめぐって市議会が反発。市は立命館との連携・協議を研究するための覚書締結を断念した。しかし庁内で立命館との連携について検討を続けている。
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2007年02月15日

過熱する中学受験市場 大手進学塾も相次ぎ参入

FujiSankei Business i.  2007/2/2  ゆとり教育で公立校離れが加速
 東京都と神奈川県で1日、私立中学の入試が解禁となり、中学入試シーズンが本番を迎えた。今年は首都圏で私立・国立中学校への受験者数はバブル期を上回り過去最高を記録するとされ、少子化を尻目に、大都市圏での中学受験熱は上昇する一方だ。こうした状況を反映し、中学受験向けの大手進学塾による拡大競争も過熱化している。

 この春、大手進学塾が相次いで拡大路線を打ち出す。首都圏で小中学生向け集団指導進学塾「市進学院」を運営する市進(千葉県市川市)は、子会社を通じ、個別指導塾「個太郎塾」のフランチャイズ(FC)加盟者の募集を始め、4月からFC事業に本格的に乗り出す。中学受験ニーズの高い首都圏で個別指導塾の新規開校ペースを引き上げ、個別指導という差別化で競争激化に備える。

 難関中高受験の進学塾で知られる早稲田アカデミー(東京都豊島区)もこの3月、首都圏で小中学生向け進学塾を同時に5校開校する。私立校の進学志向が強く市場性の高い首都圏に絞って集中的な開設に踏み込む。

 この背景には、少子化の進展により今後、市場縮小を余儀なくされる受験産業が、「ゆとり教育」への懸念から都市部を中心に加速する「公立校離れ」などから唯一の成長市場と目される中学受験市場にターゲットを絞り出したという事情がある。これを裏付けるように、大手受験産業がM&A(企業の合併・買収)により、中学受験市場に相次いで新規参入し、既存の大手進学塾との競争激化を誘発している。

 大学受験の大手予備校「東進ハイスクール」を運営するナガセ(東京都武蔵野市)は昨年10月、首都圏で中学受験向けの進学塾を展開する老舗、四谷大塚(東京都中野区)を58億円で買収した。「大学全入時代」を迎え、主体の大学受験市場が今後、尻すぼみとなるのは避けられないと判断し、中学受験市場に参入した。

 05年11月から子会社を通じて中学受験市場に参入している教材出版大手の学習研究社(東京都大田区)も、昨年6月に進学塾大手の桐杏(とうきょう)学園(東京都荒川区)を買収した。さらに、昨年12月に東北地区の進学塾「あすなろ学院」を運営する東北ベストスタディ(仙台市青葉区)を買収、完全子会社化した。少子化が進むなか、主体の教材販売が苦戦を余儀なくされ、進学塾事業育成でこれを補う方針だ。

 四谷大塚の予測によると、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で、07年度に私立・国立中学を受験する小学生は過去最高の5万1000人に達する。この数字は小学6年生の6人に1人に当たり、ある意味で、週5日制の導入など「ゆとり教育」による学力低下への危機感から公立校離れが加速していることを裏付けている。

 安倍晋三首相は1月26日の衆参両院本会議での施政方針演説で、「教育再生」を「内閣の最重要課題」に位置づけ、公教育の“復権”に、学校教育法改正案など教育改革関連三法案を提出する意向を示した。

 しかし、大都市圏の公立校離れは加速する一方で、少子化が進むなかで中学受験市場だけは拡大が続く見通しにあり、規模の拡大を追う大手進学塾間の競争は一段と熱を帯びそうだ。
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早実の倍率はアップ

2007年02月01日 朝日新聞
東京都と神奈川県で1日、私立中学入試が始まった。昨夏、全国高校野球選手権大会で高等部が優勝した早稲田実業の中等部(国分寺市)では、帰国生を含め男子776人(募集150人)、女子410人(同75人)が出願。志願倍率は、男子5.17倍(昨年度4.73倍)、女子5.47倍(同4.96倍)で、男女とも昨年度を上回った。校門前では、父母に付き添われた受験生に塾の講師らが声をかけた。「がんばれよ」。激励の握手に笑顔を見せたり、口元を結んだりしながら、受験生たちは試験会場に向かった。
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2007年02月14日

家庭学習や読書量4年前上回る 県教委調査

2007-2-14 長野日報
県教育委員会は13日、県内の小学生から高校生までの児童生徒や保護者を対象に行った生活.学習意識実態調査の結果を公表した。前回調査した4年前に比べ、家庭学習の時間や読書量が増加するなど、学力向上への意識の高まりがみられた一方、高校生の約半数が家庭学習や読書を行っていない実態も明らかになった。

 調査は1990年から3―4年ごとに行っており、今回で5回目。小学生(2、4、6年)、中学生、高校生とその保護者から抽出した約2万1000人を対象に、昨年7月に調査した。

 これによると、平日の家庭学習時間は、中学生は1時間以上が30.6%が最多で、前回と比べ1.3ポイント増加。1時間半以上が17.5%で2.8ポイント増、2時間以上が12.3%で2.5ポイント増、2時間半以上も4.1%で0.9ポイント増。一方で1時間以内は20.5%で4.6ポイント減。「ほとんどしない」も9.2%で4.2ポイント減った。

 高校生も1時間以上が15.3%で2.3ポイント増、1時間半以上は7.1%で0.4ポイント増、2時間以上は7.3%で1.3ポイント増などと増加傾向にある一方、「ほとんどしない」と答えたのは前回から4.6ポイント減少したものの46.9%で、依然として半数近くに上った。

 1週間当たりの読書量では、小学生は1冊から2冊と答えたのが37.7%で最も多く、中学生も前回を1.2ポイント上回る45.4%で最多。高校生は35.4%で5.6ポイント増えたものの、「ゼロ冊」が47.4%で最も多かった。

 また小学生の26.1%、中学生の40.5%、高校生の14.7%が塾に通っていることが分かった。通塾の理由について、中学生の約6割が学力向上や弱点克服を挙げた。保護者は「子供の希望」が39.1%で最多。「学校の勉強では足りない」25.4%、「家では勉強しない」20.5%と続いた。

 保護者が学校に期待すること(複数回答)は、前回49.8%で最多だった「個性や良い点を伸ばしてほしい」が35.7%で2番目に。これに対し「基礎学力をつけてほしい」が41.6%で最も多くなった。
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2007年02月13日

中学受験率は18・9%

2007/02/12 産経新聞
国立・私立中や公立中高一貫校を受験する児童数と受験率が今春、過去最多を更新する見通しであることが、複数の大手進学塾の推計で分かった。首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)では「5〜6人に1人」の割合となっており、空前の中学受験ブームとなっている。背景には、学習内容を3割減らし週5日制を導入した「ゆとり教育」による公立不信や、開学ラッシュが続く公立中高一貫校による新たな受験者層の掘り起こしがあるようだ。(小田博士)

8割の地域も
大手進学塾「日能研」(横浜市)は、首都圏で今春に中学受験する児童が約5万8000人(前年比5000人増)となり、受験率は18・9%(0・9ポイント増)に達するというデータを算出した。

日曜教室で知られる「四谷大塚」(東京都中野区)は受験者数を約5万2000人(約5000人増)、受験率を16・9%(0・9ポイント増)と予測する。受験者数は5年連続、受験率は8年連続で上がり続けており、今や受験率は20年前の倍に達している。

独自推計のため両塾の数値は異なるが、受験者数、受験率とも過去最多である点は一致する。小学6年生の5人に1人から6人に1人が中学受験する計算になる。

都心部ではさらにヒートアップ。「シロガネーゼ」が住む高級住宅街として有名な東京都港区の白金地区では「5人に4人が受験する」学校も出ている。

公立一貫20倍
中学受験が過熱する背景について、森上教育研究所の森上展安社長は「ゆとり教育導入の影響が強い」と指摘。(1)公立校進学への不安(2)景気の回復(3)郊外部における大手進学塾の増加−の3点を挙げる。さらに「ここ数年、公立の中高一貫校の開学が相次いでいる。学費が高い私立ではなく公立を受験する層も目立ち始めている」と付け加える。

今春、併設中学が新設されるさいたま市立浦和(定員80人)は1993人、千葉市立稲毛(同)は1622人の受験者を集め、受験倍率20倍超の人気となっている。

四谷大塚の岩崎隆義中学情報部課長は「何と言っても、ゆとり教育の導入に尽きる。教科書は薄く、宿題も少なくなった。保護者の間では学力不安への自衛意識が高まっている」と指摘する。一方、日能研の井上修進学情報室長は「ゆとり教育以前から、私立が良いという考え方が定着している。私学は大学への進学実績だけではなく特色がある」とみる。

4教科が定着
高校の定員を減らし、その分中学の定員を増やす中高一貫校も相次いでいる。豊島岡女子学園(東京都豊島区)では今春、高校の定員を1クラス分減らし、中学の定員を同じ分増やした。浦和明の星女子(さいたま市)は、中学入学1期生の高校進学に合わせて、昨春から高校の募集を停止した。

2教科型入試よりも幅広い学力を計れるとして、4教科型にシフトする傾向も強まっている。安倍晋三首相が卒業した成蹊学園(東京都武蔵野市)は今年から4教科型に完全移行した。2教科型は影を潜めているようだ。

一人あたりの受験校数は年々増加。「何としても国立・私立に入れたい」と考える保護者が増えている上に、同一校を何回も受けられる入試方式が広がりを見せ、四谷大塚の今春の予測では平均6・09校となっている。
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2007年02月12日

中学受験者数

2007/02/12  産経新聞 
大手進学塾「日能研」(横浜市)は、首都圏で今春に中学受験する児童が約5万8000人(前年比5000人増)となり、受験率は18・9%(0・9ポイント増)に達するというデータを算出した。

日曜教室で知られる「四谷大塚」(東京都中野区)は受験者数を約5万2000人(約5000人増)、受験率を16・9%(0・9ポイント増)と予測する。受験者数は5年連続、受験率は8年連続で上がり続けており、今や受験率は20年前の倍に達している。

独自推計のため両塾の数値は異なるが、受験者数、受験率とも過去最多である点は一致する。小学6年生の5人に1人から6人に1人が中学受験する計算になる。

都心部ではさらにヒートアップ。「シロガネーゼ」が住む高級住宅街として有名な東京都港区の白金地区では「5人に4人が受験する」学校も出ている。

公立一貫20倍
中学受験が過熱する背景について、森上教育研究所の森上展安社長は「ゆとり教育導入の影響が強い」と指摘。(1)公立校進学への不安(2)景気の回復(3)郊外部における大手進学塾の増加−の3点を挙げる。さらに「ここ数年、公立の中高一貫校の開学が相次いでいる。学費が高い私立ではなく公立を受験する層も目立ち始めている」と付け加える。

今春、併設中学が新設されるさいたま市立浦和(定員80人)は1993人、千葉市立稲毛(同)は1622人の受験者を集め、受験倍率20倍超の人気となっている。

四谷大塚の岩崎隆義中学情報部課長は「何と言っても、ゆとり教育の導入に尽きる。教科書は薄く、宿題も少なくなった。保護者の間では学力不安への自衛意識が高まっている」と指摘する。一方、日能研の井上修進学情報室長は「ゆとり教育以前から、私立が良いという考え方が定着している。私学は大学への進学実績だけではなく特色がある」とみる。

4教科が定着
高校の定員を減らし、その分中学の定員を増やす中高一貫校も相次いでいる。豊島岡女子学園(東京都豊島区)では今春、高校の定員を1クラス分減らし、中学の定員を同じ分増やした。浦和明の星女子(さいたま市)は、中学入学1期生の高校進学に合わせて、昨春から高校の募集を停止した。

2教科型入試よりも幅広い学力を計れるとして、4教科型にシフトする傾向も強まっている。安倍晋三首相が卒業した成蹊学園(東京都武蔵野市)は今年から4教科型に完全移行した。2教科型は影を潜めているようだ。

一人あたりの受験校数は年々増加。「何としても国立・私立に入れたい」と考える保護者が増えている上に、同一校を何回も受けられる入試方式が広がりを見せ、四谷大塚の今春の予測では平均6・09校となっている。
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2007年02月09日

女子高の倍率低下に歯止めがかからない

京都新聞
京都府内の私立高入試が9日からスタートする。少子化が進む中、全体の倍率は前年並みを確保したが、有名私大の系列高が新たに参入して波紋を広げ、女子高の苦戦が目立った。難関大進学を目指す受験指導コースも乱立。「大学全入時代元年」と言われる中、大学の人気、不人気がこれまで以上に私立中高の受験事情に反映している。

今年一番注目されたのは、京都成安中高から京都産業大の系列校に変わる京産大付属中高(京都市上京区)だ。中学では70人の定員に818人が志願者し、倍率は11倍を超えた。高校でも台風の目になるかと思われたが、倍率は1・8倍に落ち着いた。

同校開設準備室の辻村健治教諭は「説明会では、本校にふさわしい向学心を持った生徒に来てほしいと伝えた。高校は定員割れもやむなしの覚悟で臨んだ」といい、塾関係者らに合格レベルが高いとみられ、受験層が絞られたようだ。

今春の入学生が新設校の卒業1期生となるだけに、優秀な生徒を集めて大学進学実績を上げ、ブランド化を押し進める戦略と塾関係者はみる。

一方、女子高の倍率低下に歯止めがかからない状態だ。

ノートルダム女学院中高(左京区)は、中学では志願者を増やしたが、高校は定員80人に対し28人しか集まらなかった。平安女学院中高(上京区)や聖母学院中高(伏見区)も、中学では健闘するものの、高校は倍率が1倍を切った。「中高一貫教育へのニーズは高まっているが、高校、特に女子高の魅力をいかに伝えていくかは大きな課題」とノートルダム女学院の鎌田論珠校長は話す。

同校にも系列の女子大があり、高校からの入学者は内部進学できる安心感を求める志向があったという。だが「大学全入時代を迎え、その安心感が魅力ではなくなった」と漏らす。ブランド力のある有名私大を系列に持つ高校との間で「二極化」が拡大しつつある。

さらに、中学受験は、大学進学までを見通して受験する層のほか、ゆとり教育導入以降の公立中の学力や生徒指導面への不安から私立を選ぶ層も加わり、前年を上回る倍率で、受験の低年齢化はいっそう進んでいる。
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2007年02月08日

個別指導塾売上急成長

売上高成長率1位で、全国に「明光義塾」をフランチャイズ展開する明光ネットワークジャパン(本社・東京、ジャスダック上場)は講師1人に生徒3人の補習型。年間授業料が30万円程度と他の個別型大手より安く、昨年1年で生徒数は1万人増え、7万9000人が千を超える教室に通う。

約140教室をもつ東京個別指導学院(本社・同、東証2部)も補習が中心だ。1対2が基本で年50万円程度。首都圏が軸だが、大阪、名古屋、福岡にも進出しており、斎藤勝己営業部長は「首都圏以外は個別型が浸透しておらず、さらに拡大できる」と話す。

進学指向が強いのは「TOMAS(トーマス)」を首都圏で展開するリソー教育(本社・同、東証1部)。1対1で年80万円前後と高いが、43教室に8700人が通う。集団型と「ダブル」で通う生徒もいるという。

岩佐実次(みつぐ)社長は「うちの生徒の9割は集団型から移って来た。おかげで業界内では嫌われ者。でも、お客さんには、他の塾と比較した上で選んでいただいているわけです」と強気だ。

個別型の活況を目の当たりにして、集団型の大手でも個別コースの併設が相次ぐ。市場調査会社の矢野経済研究所は、塾市場も05年度には9000億円程度まで縮小すると予測するが、個別型のシェアは今後も伸びると見ている。
塾業界に、ゆとり教育が「神風」 朝日 03/03/29
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塾業界に、ゆとり教育が「神風」

塾業界に、ゆとり教育が「神風」 (朝日 03/03/29)

中学受験、最高の13%
少子化、そしてデフレ不況だというのに、学習・進学塾業界が「V字回復」をみせている。「ゆとり教育」導入で、公立小・中学校に対する親の不安が強まり、私立中志向や補習熱に火がついた。首都圏のこの春の中学受験率は、バブル期を上回って過去最高だ。子の中学受験のために、親は塾に高い授業料をせっせと払う。「ゆとり」どころではない。(澤田歩、森川敬子)

 「合格おめでとう! 御三家 △△△名、早慶付属 □□名……」

 2月の私立中受験期後から3月にかけ、各進学塾は合格者数、右肩上がりの矢印などを派手に記したチラシやダイレクトメールを盛んに出す。

 新年度の生徒募集の宣伝だ。東京の男子なら麻布、開成、武蔵、女子なら桜蔭、女子学院、雙葉。「御三家」と呼ばれるような有名中に合格した生徒が何人いるか、という「実績」がポイントだ。

 「需要」も上がっている。たとえば、東京都内でも進学熱が高いとされる千代田区。区立麹町小では57人の6年生の7割が、番町小では90人の3分の2が、今春の中学受験に挑んだ。

 塾、私立中向けのコンサルタント会社、森上教育研究所(本社・東京)の調査では、首都圏の6年生のうち、私立中を受験した児童の比率(推計値)は、バブル崩壊で92年の12.4%をピークに減り続けていた。だが00年に再び上昇し、03年は過去最高の13.0%に達した。

 98年末に、「ゆとり教育」の名のもとに、公立小・中で教える事柄を02年から3割減らす新学習指導要領が発表されたのが契機だった。大手進学塾は「2002年問題」として、子どもの学力低下を懸念するキャンペーンを展開。メディアもとりあげた。

 進学のために4年生ぐらいから塾に行かせたり、受験目的はなくても、補習塾に行かせたりする親が増えた。

 塾業界には「神風」だった。市場規模は回復=グラフ右上。株式上場している塾・予備校21社の最近4年間の年平均成長率(大和総研調べ)は、売上高4.8%、経常利益8.5%と好調だ。96年から3年間で1万超の中小の塾が閉鎖されたといわれるが、部屋と講師さえそろえば起業できるので、塾全体の数も増えている=図。

 なかでも成長著しいのが、講師1人に対し生徒1〜3人程度の個別指導型の塾だ。先の21社データでは塾、予備校ともに、売上高成長率のトップ3が個別型だ。

 十数人〜30人程度の集団指導塾のように、生徒間の競争意識をかきたてはしない。家庭教師のようなきめ細かい指導が売り物で、個々の学力や目標に合わせて、補習型と進学型に分かれる。

 売上高成長率1位で、全国に「明光義塾」をフランチャイズ展開する明光ネットワークジャパン(本社・東京、ジャスダック上場)は講師1人に生徒3人の補習型。年間授業料が30万円程度と他の個別型大手より安く、昨年1年で生徒数は1万人増え、7万9000人が千を超える教室に通う。

 約140教室をもつ東京個別指導学院(本社・同、東証2部)も補習が中心だ。1対2が基本で年50万円程度。首都圏が軸だが、大阪、名古屋、福岡にも進出しており、斎藤勝己営業部長は「首都圏以外は個別型が浸透しておらず、さらに拡大できる」と話す。

 進学指向が強いのは「TOMAS(トーマス)」を首都圏で展開するリソー教育(本社・同、東証1部)。1対1で年80万円前後と高いが、43教室に8700人が通う。集団型と「ダブル」で通う生徒もいるという。

 岩佐実次(みつぐ)社長は「うちの生徒の9割は集団型から移って来た。おかげで業界内では嫌われ者。でも、お客さんには、他の塾と比較した上で選んでいただいているわけです」と強気だ。

 個別型の活況を目の当たりにして、集団型の大手でも個別コースの併設が相次ぐ。市場調査会社の矢野経済研究所は、塾市場も05年度には9000億円程度まで縮小すると予測するが、個別型のシェアは今後も伸びると見ている。

■デフレ下にかさむ塾代

 「需要」増で、塾の授業料はデフレ知らずの様相だ。

 小学4年から受験準備すると、3年で180万円程度。合格すればしたで、入学時に100万円前後必要になる。私立中に子ども1人を入れるには、年収800万円以上の家庭でないとなかなか厳しい、との見方さえある。

 6年になれば、コマ数が増えるうえ、毎週のテストや夏期講習などを塾側の言うがままに受けると、年間100万円近くかかったりする。

 関東、関西、九州に展開する大手進学塾「日能研」のパンフレットによると、6年生の本科教室(4科目)で、月謝は約2万5000円とある。単純計算で年30万円超。でも、実際に1年間に納める額は85万〜90万円になるという。任意選択の春夏冬の集中講習や、テスト代、特別授業料などが膨らむからだ。

 本科は週3日で70分が9コマ。ほかに、毎日曜のテストとその後の「入試問題研究特別講座」や、土曜の授業後の「特別算数教室」など、希望者だけの授業がある。だが、これら特別授業も、年間のカリキュラム上では「必修」扱い。断らなければ、生徒側は自動的に授業料を取られる。

 他の大手もこうした形態が多い。希望者だけの授業などを断ろうとすると、「本当にいいのですか?」と塾側から念を押されることもある。ついつい、塾代が高く積もっていく構図なのだ。

 森上展安(もりがみ・のぶやす)・森上教育研究所長は、こうみる。

 「かつては、補習では料金をとらないのが普通だった。いまは、どれだけたくさんのオプション(特別授業など)を生徒にとらせるかが、教室長のノルマのようになってしまっている。親は、自分の子どもには本当に何が必要なのかを、見極めた方がいい」

■講師の質など見極めて

 「投資家が注目するような『優良企業』が、必ずしも『優良塾』とは限らない」

 大和総研の風間真二郎アナリストはこう指摘する。経営上の数字を良くするには、たとえば、時給の安い大学生アルバイトを大勢雇えば、人件費を圧縮できるからだ。

 講師の若さを売り物にする塾もあり、大学生講師が一概に悪いとは言えない。だが、集団型であれば、30人の生徒を束ねるには一定の経験も必要になる。

 関西地盤の集団型の進学塾、浜学園(本社・兵庫県西宮市)では、講師が「3軍制」で鍛えられる。研修、試験を経て「1軍」に上がらないと授業は任されない仕組みだ。そのうえ、生徒アンケートで6割の支持がないと、そのクラスから外される。

 進学か補習か。集団か個別か。選べるタイプは広がった。より高い効果をめざすのなら、目的をきちんと定めて、親も授業参観したり、その塾の「卒業生」の親の意見を聞いたり、といった備えが重要、と言われている。
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2007年02月07日

中学入試:「12の春」試練過熱 首都圏、私立受験5万人

毎日新聞  2007年1月31日
「12の春」が厳しさを増している。東京都、神奈川県で来月1日から入試が始まるなど、中学受験がピークを迎えているが、大手進学塾の予測では、首都圏1都3県の07年度入試の受験者は5万人を超え、過去最高となる見通し。政府の教育再生会議が「ゆとり教育」見直しを打ち出したが、公立校の不人気を裏付けた形だ。

大手進学塾・四谷大塚(東京都中野区)は、07年度入試の受験者数を、既に1月10日から始まった埼玉県、同20日から始まった千葉県の出願状況などから、5万2500人と予測している。

四谷大塚によると、これまでの最高は91年度の4万9500人。バブル崩壊後は99年度まで減少が続いたが、その後は上昇に転じている。07年度は91年度に比べて小学6年生全体の数が約9万人減少しているのに、過去最高となる見通しだ。岩崎隆義・中学情報部課長は「教科書の薄さに親が危機感を抱くなど『ゆとり教育』が影響している。一方、教育の独自性などを私立が打ち出してきたことも作用している」と解説する。

一方、日能研(横浜市)は、中学受験者数を5万7000〜8000人と予測する。小学6年生全体に対する受験率も20%台に乗り、5人に1人が受験するとみている。井上修・進学情報室長は「公立でも学校選択制の導入が増えてきており、中学受験をしてもしなくても親が12歳の段階で進路を選択せざるを得なくなってきている」と説明する。

中学受験に詳しい「森上教育研究所」の森上展安代表は「私立と公立の差が広がり、保護者が考えて進路を選択していかないと、それなりの学力が習得できない仕組みとなってきている」と分析している。【佐藤敬一】

◇道内、公私立15校で実施
道内で中学受験を行っているのは、私立14校と今春開校する道立登別明日の計15校。大半が1月中旬に入試を実施した。私立高が中学を併設するケースが多く、函館ラ・サールや函館白百合は東京など道外に受験会場を設けて、生徒募集を行っている。道私立中学高校協会の吉田一益事務局長は「中高一貫教育で大学受験での実績をアピールする学校が増えている」と話している。毎日新聞 2007年1月31日 北海道夕刊
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