2007年02月07日

【主張】「12の春」 魅力ある公教育の再生を

2007/02/06 産経新聞
私立中学受験する子供の数が増え続けている。学習塾大手の四谷大塚や日能研によると、東京、神奈川など首都圏で、小学6年約30万人のうち、中学受験生は5万人を超え、「12の春」に、6人に1人が受験する高い割合だ。

裏には、公立の学力低下や、いじめ問題などに責任を持って解決策を示せない公教育への不信がある。

私立中学を受験する割合は、この20年で倍増した。とりわけ、公立で毎週土日が休みの学校5日制や授業内容が3割削減の学習指導要領が実施された平成14年度以降の伸びが大きく、「ゆとり教育」拡大とともに、私立への人気が高まったことを示している。

今の親たちが小学生のころは、中学受験する子はクラスで1、2人だったはずだが、現在、都内23区ではクラスの4割が受験する地区もある。

受験のための塾通いも、以前は5〜6年生からだったのが、今では1年生から通う子供たちも珍しくない。

中学受験のための塾費用は、一例では1年生で年間20万円、6年生で年100万円ほどもかかる。公立より高い授業料を払ってでも私立に行かせたいという親が少なくないのだ。だが、払えない家庭はどうなる。

ゆとり教育のほか、相次ぐ問題に責任を明確にしない教育委員会や学校に保護者からの不信感も強い。

この間に私学は、少子化で受験者減少を見込んで教育内容の充実や改革を進めてきた。塾関係者は「最近の親の要望は、有名大学合格者数だけでなく多様だ。主要教科で公立の倍あるカリキュラム作りのほか、思春期の子供たちのためのカウンセラー常駐などさまざまな工夫をしている」という。

「悪い評判がたてば次の年から生徒が来なくなる」という緊張感は、公立の学校現場には少ない。学校選択制や外部評価制など、いち早く改革を進める東京都品川区の例や新設の公立の中高一貫校が人気を集めているが、まだ一部で、公立復活には程遠い。

政府の教育再生会議の野依良治座長は、塾が不要になるくらいの公教育改革を提唱する。教育改革関連3法案は魅力ある公立学校づくりをバックアップするものだが、まだ取り組みの余地は大きい。公教育の再生は、国民の強い願いである。(2007/02/06)

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同志社香里中の入試で採点ミス、2人を追加合格

2007年02月05日 asahi.com
大阪府寝屋川市の同志社香里中学校(生井武世校長)は5日、1月20日にあった入試で採点ミスがあり、不合格者2人を新たに合格とした、と発表した。

同校によると、採点ミスが見つかったのは算数で、バスや鉄道の時刻表から、所要時間などを考える2つの問題(各6点分)。うち1問については問題作成の過程で問いの趣旨を変更しながら、採点時の模範解答を修正しなかった。別の問題では、2つある正解を、1つだけとした。

1月20日にあった一般入試は421人が受験。翌21日、235人の合格者を発表した。2月1日になって神戸市に本部を置く進学塾から採点についての問い合わせがあり、ミスがわかったという。採点し直した結果、受験生2人を追加合格とし、保護者らに謝罪する一方、合格していた別の学校に支払った入学金など計約90万円分を全額弁償したという。

入試問題の作成は数学科の専任教師10人が担当。西山啓一教頭は「問題作成とチェックを同じメンバーでしたため、誤りを見抜けなかったと考えられる。体制の整備を進めたい」としている。
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2007年02月05日

韓国「大脱出」:シドニー北部は韓国人学区?

朝鮮日報

保護者「その学校には韓国人の生徒が多すぎるのでは?」

留学斡旋センター関係者「ご希望の学校に直接行ってみてから判断なさるほうがいいですよ」

今月8日、オーストラリア・シドニーの中心街にある留学斡旋センター。上気した表情の女子中学生とその保護者がコンサルタントのパソコン画面に見入り、盛んに質問していた。すぐ隣の相談コーナーでも、留学希望者の保護者が学校生活や費用について事細かに確認していた。

オーストラリアには数年前から「シドニー8群」という言葉が飛び交っている。これはシドニー北部のピンブル・ゴードン・チャッツウッド地域を指す造語だ。この地域は大学入試のための成績のいい高校が多く、オーストラリア在住韓国人や早期留学生の家族が集まっているため、優秀な学校が多いソウル市江南の学校群名、「第8学群」にならってできた別名だ。留学斡旋センター「パダ留学院」のクォン・ジンジュ副院長は「韓国では“シドニーに留学するならチャッツウッドに行け”とよく言われるらしい。しかし韓国人があまりにも多いため、現地の学校でも韓国人生徒を避ける傾向が現れつつある」と話す。

マレーシア・チェラス地域にある某インターナショナルスクール。入学を控えた韓国人生徒8人が校舎に入ると、片隅に立っていた韓国人在校生の保護者らは顔をしかめ、ひそひそ話を始めた。

「今学期いったい何人入ってくるのかしら。小4のうちの子のクラスは22人中9人が韓国の子供だから、英語の勉強になるもんですか」

小・中・高のカリキュラムを組む同校の場合、4人に1人が韓国人児童・生徒だ。新学期を迎え、学校正門に張り出されたクラス分け表にも、韓国人の名前が並んでいる。

韓国人が最も多く集まっているといわれるアンパン地域。2005年から早期留学生が集まり始め、同地域にはすでに韓国人の稽古塾や学習塾が並ぶ街が形成されている。テコンドー・ピアノ・算数教室など、ないものが(は)ない。夜10時過ぎなのに、ある英語塾には電気がこうこうと灯っている。昨年、小4の娘をインターナショナルスクールに入れたチェさん(41)=女性=は「韓国人が1か所に集まって住んでいると、母親同士の教育競争が激しくなる」と話す。

塾よりももっと激しいのが英語教育熱だ。マレーシアの公用語はマレー語だが、人口の80%が英語を使っている。現地人とのマンツーマンで行われる家庭教師の授業は、1時間で1万5000ウォン(約1900円)。週5日、1日3時間の授業でも月100万ウォン(約13万円)かかるという。チェさんは「ちょっといい先生だと、母親たちは互いに月謝を弾み、手離そうとしないので、家庭教師代だけが右肩上がりになっている。午前1‐2時まで家庭教師と勉強する子供たちを見ていると、何で私はここに来たんだろうと思うことがある」と語った。朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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2007年02月04日

首都圏1都3県の私・国立中の受験者数と受験率

asahi.com  2007年01月17日 

中学受験の受験者増に拍車がかかっている。大手進学塾の予測によると、東京など首都圏の1都3県では近く佳境を迎える07年度入試で初めて5万人を超え、少子化もあって小学6年生の6人に1人が私立か国立を受験する見通しだ。受験者数、受験率ともに過去最高。ゆとり教育への不安に加え、私立側も中学部の新設など「受け皿」を広げていることが背景にありそうだ。

06年度に入って、四谷大塚が毎月実施している模擬試験の参加者は前年を1割余り上回った。これを踏まえて07年度入試の総受験者数を5万1000人と予測した。これまでの最高はバブル経済の末期、入学金や授業料がかかっても私立志向が高かった91年度の4万9000人。バブル崩壊後は減少傾向が続いて99年度に3万7000人まで落ち込んだ後、03年度以降は右肩上がりで増え続けている。

中学受験人気の理由として、関係者がこぞってあげるのが、ゆとり教育への保護者の不安だ。

学習内容を大幅に減らした現学習指導要領が施行されたのが02年度で、土日を休みとする学校週5日制の完全実施も02年度から。「親の多くは子どもの教科書の薄さに驚き、危機感を持った。私立は週6日制も多く、高校まで6年間の一貫教育で進学実績を伸ばした」(四谷大塚中学情報部の岩崎隆義課長)
 
その他、「公立中高一貫校の開設ラッシュが、一貫教育の私立への関心も高めた」(東京私立中学高校協会の近藤彰郎会長)、「家庭の子どもの数が減り、1人にかけられる教育費が増えた」(全国学習塾協会の稲葉秀雄専務)、「交通の便が良くなり、都県の境を超えて学校選択の幅が広がった」(大手進学塾「日能研」の井上修進学情報室長)など、様々な指摘がある。

私立中学の門戸も広がっている。付属中学の新設、男女共学化などを進めているからだ。今年4月も、東海大付属高輪台高校(東京)が中等部を設け、男子校の法政大第一中学(東京)は法政大学中学に校名を変えて共学になる。

昨年4月に女子校を共学にして校名も変更したかえつ有明中学(東京)は、昨年2月の入試で前年の6倍を超える志願者を集めた。
 

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2007年02月03日

“12の春”目指し本格的受験シーズン到来

日テレnews24←動画を見ることができます

「12の春」を目指す子供たちの本格的な受験シーズンが1日、始まった。
 東京と神奈川で、私立中学校の入学試験が始まった。東京・港区にある麻布中学では、塾の先生や親の声援を受け、子供たちが続々と受験会場に向かった。

私立中学校の受験者数は中高一貫校人気の高まりなどから毎年増加しており、大手進学塾では、首都圏の今年の受験者数は5万7000人以上に上ると予測している。 <2/1>
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2007年02月02日

私立中入試 首都圏ピーク

東京新聞
東京都と神奈川県の私立中学校で一日、入学試験が始まり、首都圏の私立中入試がピークを迎えた。

学習塾大手の日能研(本部・横浜市)によると、一都三県に住む小学六年生約三十万六千五百人のうち、約18%に当たる約五万七千人(推計)の児童が今春の中学入試に臨む。受験する割合は年々高まっているといい、同塾は「公立に対し、各私学の明確な中高一貫プログラムが保護者の信頼感を得てきているから」と分析している。

一日は一都三県で延べ約二百八十校が入試を実施。麻布中(東京都港区)ではこの日、募集三百人に対して千四人が受験。受験生は学習塾講師や関係者に激励されながら真剣な表情で校内に入っていった。

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大都市圏、高い中学受験志向

2007.1.31 asahi.comトップ > 関西 > 朝日わくわくネット
大都市圏、高い中学受験志向 東京都心4割、兵庫・芦屋も3割超    
 

「中学校の5校に1校強が私立中」という東京都は、中学受験の最激戦区だ。昨年3月に小学校を卒業した児童の私・国立中への進学率は、都全体の平均が17.6%で、5人に1人弱が私・国立組だ。市区町村別では、最も高い千代田区の39.5%を筆頭に中央(38.0%)、港(37.4%)、文京(36.8%)、渋谷(32.6%)、目黒(30.3%)の6区が30%を超えている。
 
大手進学塾・四谷大塚の予測によると、東京と神奈川、千葉、埼玉の1都3県では、2007年度入試の私・国立中の受験者は、過去最高の51000人に達する見通し。小学6年生の6人に1人が受ける計算だ。
 
首都圏に次ぐ激戦地の近畿圏では、兵庫県南東部の阪神間と、大阪府北部の北摂地区で私立中進学率が高い。
 
朝日新聞社の調べでは、特に有名中学が点在する阪神間が目だっており、兵庫県芦屋市が32.1%と突出。同じ兵庫の西宮市(19.0%)、宝塚市(15.9%)、大阪府箕面市(13.9%)と続く。受験率はさらに高く、小6児童の半数近くが「中学受験組」という小学校もある。京都市の小6児童の受験状況は「データを取っていないため不明」(京都市教委)という。
 
大都市圏を離れると状況は一変する。私立中自体が少なく、交通の便も良くないため、一部の例外を除くと強い中学受験志向は見られない。ただ、名門公立高校が中学部を新設して中高一貫教育に乗り出す例が相次いでおり、人気が高まっている。

2006年度の阪神・北摂地区の主な自治体の私立中学への進学率   
   【兵庫県】                【大阪府】
神戸市 9.9%             大阪市 8.7%
芦屋市 32.1%            吹田市 12.2%
西宮市 19.0%            豊中市 8.2%
宝塚市 15.9%            池田市 4.8%
尼崎市 13.3%             箕面市 13.9%
伊丹市 11.4%             高槻市 7.4%※
川西市 12.8%※           茨木市 6.5%
        ※国立中学を含む(朝日新聞調べ)


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2007年02月01日

教室がらがら 中学入試シーズンの公立小、欠席続出

2007年02月01日 asahi.com
東京都内のある公立小学校。6年生のクラスでは31日、児童25人のうち14人が欠席した。学校によると、一部の保護者から「風邪気味なので」と連絡があったが、大半は2月1日に東京都と神奈川県で解禁される私立中学の入試に備えた。

教科書を使った通常の授業はできないため、発展的な内容を盛り込んだプリントを使った。この学校では毎年、6年生の6〜7割が中学受験する。試験が早い近県の学校を「ならし」受験したり、風邪をうつされないよう警戒したりで、今年も2週間ほど前から欠席者が続出している。

大手進学塾によると、首都圏1都3県では、今年の中学受験者は私立と国立の合計で初めて5万人を超え、6人に1人が受験する見通しだ。
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2007年01月30日

変わる中学受験地図

asahi.com  公立の選択制・中高一貫も影響
 私立や国立の中学入試が佳境に入った。1都3県で過去最多の5万人余が受験する見込みの首都圏をはじめ、都市部の中学受験熱は高まる一方だ。少子化が進むなか、学校側も受験生を確保しようと、試験科目を減らすなど駆け引きを続ける。学校選択制や中高一貫校など公立側の改革の影響も表れ始めた。4大都市圏の今年の受験戦線を追った。

関西―科目数・日程 駆け引き

 関西では、進学校が集まる京阪神地区で受験者が増加傾向にある。昨年の入試では、この地区の公立小6年生の10人に1人が私立中を受けた計算。首都圏の「ほぼ6人に1人」に次ぐ高さだ。

 今年の入試では、試験科目から社会科を外して「3科目型」(国語、算数、理科)を採り入れる学校が増えた。灘(神戸市)や甲陽学院(兵庫県西宮市)など、以前から3科目型だった有名校に合わせ、優秀な生徒に併願してもらおうという狙いからだ。

 試験の日程も受験生の動向に影響を与えた。

 近畿2府4県は昨年から入試解禁日を統一。もともと大阪と京都、兵庫は同日解禁だったが、特定の人気校への集中を避けて「共存共栄」を目指そうと滋賀、奈良、和歌山も合流した。今年の解禁日は今月20日。初日に入試を構える学校が多く、併願が難しかった。

 恩恵を受けたのが、年明け直後に入試をした岡山県内の二つの有力私立中だ。

 7日に入試があった岡山白陵(岡山県赤磐市)では今年、一昨年に比べて志願者が倍近くに増え、7割を京阪神からの受験者が占めた。昨年から大阪にも試験会場を設けた岡山中(岡山市)も、おととしは655人だった志願者(難関大コース前期)が今年、2倍以上の1514人にはね上がった。

首都圏―公立改革 私立に恩恵

 首都圏では、既に入試が始まった千葉、埼玉両県に続き、2月1日に東京都と神奈川県で解禁される。大手進学塾「四谷大塚」の予測では、私立と国立中の受験者は1都3県で5万1千人に達し、過去最高となる見通しだ。

 中学受験人気を加速させている要因として、公立小中学校で急速に広がる学校選択制と、公立中高一貫校の開校に注目する関係者が多い。「学校を選ぶことが当たり前になり、私立も選択肢に入れる保護者が増えた」「私立を考えなかった層が中高一貫の利点に目を向けた」との指摘だ。

 学校選択制は、東京都では00年度の品川区が皮切り。今年度は中学校で23区のうち19区が、小学校でも14区が選択制をとり、市部でも導入が進む。神奈川県では中学校で7市、小学校では3市が選択制をとっており、千葉県でも九つの市と村で実施している。

 公立中高一貫校は、東京では05年に誕生し、既に5校ある。私立側は当初「生徒を奪われかねない」と警戒したが、昨年の私立と公立の併願は「多くて2割」(森上教育研究所)という。東京私立中学高等学校協会会長で、八雲学園中学高等学校(東京都目黒区)の近藤彰郎校長は「私立にとってプラスになった」と言い切る。

■東海―2番手なら公立へ進学

 愛知県は、進学実績を誇る公立高校が複数ある「公立優位」県だ。東海地方が地盤の進学塾「佐鳴予備校」の担当者は「何が何でも私立という人は少ない」と話す。大半の私立が受験生を増やしているが、成績上位の子は「2番手の私立より公立へ」との志向が強く、有力校に絞る傾向が強まっている。

 名古屋市で進学塾を運営する「名古屋セミナー」の安田龍男理事長も「私立中を4〜5校も併願する例は減っている」と指摘し、「トップ校以外は、学力低下もあって入試が易しくなった。それなら公立に進んで高校受験で頑張ろうという選択でしょう」と話す。

 同じ名古屋市内でも、地域間で中学受験熱に差があるのも特徴の一つ。市南部の区では私立中への進学者が全体の3〜5%なのに対して中心部では年々上昇、20%を超える区もある。

 ただ、公立側は冷静だ。名古屋市内のある市立中校長は「私立の受験者は増えているが、あまり危機感はない」。昨年度から年間の教育計画を書いたチラシを入学説明会などで配っているが、「公立で十分だよ、という意味を込めている」と話す。

■九州―際立つ志願者増

 公立志向が根強い九州でも中学受験熱が高まっている。福岡県では軒並み志願者数が増え、前年から1割増の中学も少なくない。東京や大阪などと比べてこれまで受験率が低かった分、伸びが目立つ。

 筑紫女学園中(福岡市中央区)の志願者数は昨年より100人以上多い836人で、過去10年間で最多だった。「増える予感はあった」という菅原盛之教頭は「景気が上向き、保護者は私学に通った世代。塾通いの子も増えている」。

 福岡大付属大濠中(同)でも前年より49人増の655人が志願した。村上繁教頭は「中高一貫の良さがマスコミで評価されたのが大きい」。ラ・サール学園(鹿児島市)の志願者も107人増の829人になった。

 「教育基本法、全国学力調査の4月実施、いじめ問題など教育や学力に関するニュースが急増した」。地元の大手塾・英進館の中村淳二教務部長は私学人気の背景を分析する。「私学全体の志願者数が底上げされた。公立信仰の転換まではないにせよ、この傾向は来年も続く」
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学習塾の今後のプロモーションの方向性

01/30 IBTimes

[コラム] 教育産業ソリューションシリーズ(第1回:プロモーション)〜学習塾の今後のプロモーションの方向性〜 

出展:日本総合研究所ホームページ(http://www.jri.co.jp/)「研究員のココロ (株)日本総合研究所 研究員 福田 隆士 2007年1月29日付」より


 成長戦略クラスターが取り組んでいる、学習塾をはじめとする教育産業向けのソリューションについてテーマ別に4回シリーズで紹介していきます。


学習塾業界を取り巻く環境

 近年、少子化の進展やゆとり教育の推進などに代表されるように、学習塾業界を取り巻く環境は大きく変化しています。通塾率の増加や一人当たり教育費の増加といったプラス要因はあるものの、少子化という大きな流れの中にあって、市場規模は横ばいであり、成熟期にあると考えられます。
 
このような状況にありながらも年率10%前後の成長を続ける大手企業もあり、優勝劣敗は徐々に鮮明になりつつあります。市場は成熟傾向にありますが、個別指導型の企業は着実に拡大してきており、従来の多数派であった集団指導型の塾は縮小傾向にあります。また、合従連衡の動きも徐々に激しさを増し、最近では名の知れた学習塾の買収も報道されています。
 
厳しさを増す競争環境にあって、学習塾を運営する企業が取り組むべき課題は多岐にわたりますが、自社の取り組むべき課題をすばやく捉え、的確に解決していくことが競争を勝ち抜くためには必須と言えます。競争を勝ち抜き成長していくためにはいくつかのアプローチが考えられますが、本稿ではプロモーションを切り口とした考え方について紹介いたします。


成功要因としてのプロモーションの重要性

 学習塾が成功するための要因としては、講師の質や立地場所の選定など様々なものが挙げられますが、売上拡大に向けて最も重要な成功要因は、プロモーションだと考えます。学習塾の事業フローから考えてみますと(下図参照)、確かに立地場所や講師の質は重要と言えますが、例えどれだけ良い場所にあって良い講師を揃えていたとしても、そもそも存在自体が知られていなかったり、生徒や保護者に通いたいという気持ちを持たせたりすることができなければ、まったく意味を成さないと言っても過言ではないはずです。プロモーションにおいては、業態特性やエリア特性を考慮した広告宣伝の検討や、口コミをいかに活用していくかの検討、価格の設定などが重要となってくると考えます。



費用面から見るプロモーションの取り組み状況

 狭義のプロモーションとしての広告宣伝の重要性は多くの方が認識されていることでしょうが、どの程度注力し、費用をかけるべきかの判断は容易ではありません。ここでは、費用面から学習塾各社がどの程度プロモーションに注力しているかを検討してみます。
 
学習塾を営む上場企業の財務諸表から、売上高に占める広告宣伝費の割合は概ね5%〜15%程度の水準にあることがわかります。CMや屋外広告、雑誌広告などを頻繁に目にする化粧品業界の上場企業の広告宣伝費率は5%〜10%程度ですので、広告宣伝に限れば、学習塾業界は化粧品業界の水準以上に力を入れていると言えます。

 また、各社の費用構造を見てみますと、人件費と広告宣伝費、賃借料の3つが大きなウェイトを占めています。このことからも、各社が少なくとも講師の質と立地、プロモーションの3つについて注力していることが窺えます。


費用対効果を検討する意義

 学習塾の多くがプロモーションに力を入れ、相当の費用をかけていることは学習塾関係者の声からもわかりますが、当然のことながら、ただ費用をかければ成果が出るというものではなく、いかに費用対効果を高めるかが競争力を高める上で重要になります。中堅・中小規模の学習塾では特に、費用対効果について十分把握できていないことも多いようですが、まずは簡単にでも費用対効果を把握することが必要です。極めて単純にすれば、効果は生徒の獲得人数、費用はプロモーションにかけた金額になりますので、生徒へのアンケートなどで容易に捉えることが可能でしょう。

 例えば、チラシにそれなりに費用を割いている場合でも、チラシをきっかけとして入塾する生徒がほとんどいないケースもあるかもしれません。費用対効果を把握することは単に費用が大きい、小さいということを見るにとどまらず、自社にとって最適なプロモーション方法の組み合わせを検討する上でも非常に役立ちます。


プロモーション方法を見直すことの必要性
 プロモーションの方法としては、新聞の折込チラシやCM、屋外広告、車内広告、雑誌広告、DM、電話など様々なものが挙げられます。自社にとってどの方法、あるいはどういった組み合わせが最適となるかを検討することは、生徒確保面、費用面の両面で非常に重要なことです。

 どういったプロモーションをすべきかについては、従来から非常に頭を悩ませることであったかと思いますが、最近はさらに難しくなっているのではないでしょうか。従来型の学習塾のプロモーションはいわゆるマスプロモーションを主体とし、合格実績や講師の質を謳った内容を盛り込んだものが多かったように思いますし、現状でも数多く見られるのはそういった類のものでしょう。しかし、最近増加が著しい個別指導型の補習塾には、いわゆる従来型の学習塾のプロモーション方法はふさわしくないと思われます。

 例えば、懇切丁寧な指導とアットホームな雰囲気を売りにしている個別指導塾において、合格実績を掲載した折込チラシがどの程度の効果を持つかは考えるまでもないでしょう。仮にそのような特徴・強みを持った塾であるならば、生徒を獲得するためには何が必要でしょうか。まず、説明を聞きに来てもらうようにしむける、体験授業を受講してもらうようにしむけることが入り口として重要になります。そして、実際に雰囲気を味わってもらうことが生徒獲得への第一歩となってくるでしょう。

 このように一口に学習塾と言ってもその業態は多様化しており、一律のプロモーションは難しくなっているのが現状です。集団指導形式の進学塾では合格実績を前面に押し出すことが有効であっても、そのほかのケースでは自社の強み・特徴を最大限に押し出せる方法を検討することが肝要であると考えます。したがって、プロモーションを再検討する上では、まず自社の強み・特徴が何であるかの棚卸が必要となってくるはずです。


口コミの変容とその活用の方向性

 ここまでは、広告宣伝を中心に述べてきましたが、学習塾のプロモーションを考える上では、口コミの存在は外すことはできません。実際にまったくと言っていいほど広告宣伝を実施せずに生徒を集めている学習塾もありますし、関係者の方と話をしても口コミがプロモーションの主体であるという意見が多く聞かれます。また、高校生にインタビューした経験からも、やはり口コミの威力は非常に大きいと言えます。ただし、口コミの影響の大きさはわかっていても口コミは消費者が勝手に作り上げていくもので、コントロールは不可能というのが実態でした。根本的な変化を伴わずに、口コミの内容のみを作り上げることできない(してはいけない)ということは今も昔も変わらない部分でしょう。

 しかし、口コミの作られ方、伝播のスピードには変化が見られます。従来の口コミは一人が口コミを伝えられる範囲には限界があり、そのスピードは緩やかなものでしたが、最近では、口コミサイト、ブログ等の普及により劇的に変化しています。コミュニティを活性化することができれば、多くの口コミを発生させることも不可能ではなくなっています。

 口コミサイトの代表例として紹介されることが多い、化粧品の口コミサイトである@cosmeなどは相当数の口コミが集積しており、実際にかなりの割合の女性がサイトを参考にしているようです。従来から口コミの影響が非常に強い業種である学習塾においてもインターネットの活用は有効な手段になりうると考えます。その第一歩として、生徒が意見や感想などを自由に書けるような簡単なブログ、掲示板を作るなど、広告では表現しにくいことを伝えられる仕組みの構築は効果的なプロモーションとなりうるのではないでしょうか。


インターネット活用の際の留意点と活用策

 インターネットを活用して口コミをプロモーションに活かそうとする際には、いくつか留意しておくべき事項があります。第一に口コミの影響はネガティブなものほど感度が高いということです。つまり、そもそもの講義の質など、サービス内容が生徒や保護者にポジティブな印象を与えていないようなケースでは逆効果となる可能性があるので注意が必要です。

 もう一つとして、掲示板、ブログなどの性質の違いを理解しておくべきです。掲示板は誰しもが簡単に書き込むことが可能ですが、その反面、匿名性が高く無責任な書き込み、マイナスイメージを植えつけるような書き込みも投稿しやすく荒れやすいという特徴があります。ブログに関しては、掲示板に比べ場を荒らされにくくする工夫が比較的容易である、通常のウェブサイトに比べて立ち上げ、更新が容易であるという特長があります。

 では、最初の取り組みとしてはどのようなものが良いでしょうか。もちろん、それぞれの考えかた、置かれている状況によって変わってきますが、まずは自社でブログを作ってみることが良いと考えます。自社のブログにチラシやCMでは書ききれないような、生徒や保護者の体験談や講師のコラムなどを掲載することは比較的簡単にできると言えます。また、写真を掲載することも可能ですので、授業風景を掲載することで雰囲気をつかみやすくなると考えられます。学習塾は基本的にある特定の商圏内での競争がほとんどですので、例えば地域のコミュニティサイトにリンクを張ってもらうなどできればプロモーションの効果はアップする可能性も高いはずです。

 その他としては、生徒、保護者の中からモニターを募集し、モニターの方自身が運営しているブログ、参加しているコミュニティサイトなどに講義の感想や様子を書いてもらうなども一つの方法でしょう。最近の小中学生の親の世代にはコンピュータリテラシーの高い方が増えていますので、うまく仕組みを構築することができれば一定の成果が期待できます。

 学習塾各社は前述のように広告宣伝費の割合が高い水準にある業界です。広告宣伝のあり方を見直し、インターネットも巧みに活用していくことが業績向上を目指すうえでの一つの方向性と言えるのではないでしょうか。それにいかに取り組むかということが、今後さらに競争環境が厳しくなっていく学習塾業界において、優勝劣敗を分ける一つの要因となり得るものだと考えます。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。

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福田 隆士
(株)日本総合研究所 研究員 成長戦略クラスター
専門分野:株式上場に向けた構想策定からIR戦略立案や各種実行支援までを含めた株式市場におけるトータル支援
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(01/30 11:14)
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